和光小学校幼稚園校園長ブログ「夜明けをつげる子どもたち」人との出逢いの意味、皆で学ぶ意味

 


7月は幼稚園は5歳児、小学校は全学年が合宿やキャンプに出掛けました。私は、幼稚園合宿と、3年生の秩父合宿、4年生の奥多摩合宿に同行させてもらいました。3・4年生の合宿は、現地の方との色々な出逢いがあり、その学びの大きさ・豊かさを実感してきました。

今日はその一部を紹介したいと思います。

 

3年生は、合宿初日に秩父の養蚕農家のKさんに会いにいきました。桑畑やカイコを育てているところを見せていただいたりしました。その後、Kさんへの質問タイムがあったのですが、まぁ色々な質問が出るわ、出るわ。それがまたとてもおもしろいのです。

 

「(家がカイコだらけだけど)Kさんはどこで寝ているんですか?」

なるほど! 私は人間の住居は別にあるだろうと想像していましたが、子どもたちはおうちでカイコを飼っているので、一体どこで寝ているのだろうと思ったのですね。 こっちが私の住んでいる家です、と教えてくださったあとに、Kさんが子どもの頃は、この(人間の)住居でカイコを飼っていたことがあり、その時は、カイコが畳を上げた居間にいて(寝て)、Kさんたちは廊下で寝ていたとのこと! 子どもの質問から、養蚕農家の当時の生活が浮かび上がりました。

 

「Kさんが好きなのは、たまごですか?一齢ですか?二齢ですか?三齢ですか?四齢ですか?五齢ですか?繭ですか?」

え? 考えたことなかった! Kさんもそんな表情に見えました。 そして、少し考えたあとに、「うーん、繭かな?」 大事に育てたカイコが繭になった時が嬉しいからだそうです。

 

他にも、「なんで(カイコではなくて)御蚕様(おかいこさま)というのですか?」という質問で、カイコを大事にしてきたことがわかったり、「養蚕農家になるのは夢でしたか?」という質問で、養蚕について学ぶ学校に進学して、跡を継ぐのが当たり前だったこと、この地域で19軒あった養蚕農家もいまや2軒になったことなどがわかりました。

 

もっともっと色んな質問が出ていました。「なんで?」がどんどん出てくるのがいいなぁと思いました。

 

そして、どの質問も、私には思いつかないものばかり! ‘大人には思いつかない’と言っても過言ではないでしょう。 そして、その質問に対する答えから、私の学びも深まり、養蚕農家の生活や歴史、それを事実としてだけではなくKさんを通して感覚としても伝わってきて、知ることができました。子どもたちの学びも、こうやって色んな人が色んな角度から「なんで?」を出すことで、広がり深まったと思います。皆で学ぶ意味、現地の方に実際にお逢いする意味を強く感じた7月の合宿でした。


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